今回は、あのUSJをV字回復させた森岡 毅さんの『マーケティングとは「組織革命」である』について要点整理を行っていきます。
森岡さんは、TVなど様々なメディアで取り上げられるほどの有名なマーケターで個人的にも一番尊敬している方です笑
では、さっそく、簡潔にこの本について述べていきたいと思います。
マーケティングとは??

皆さんの認識では、マーケティングとは消費者目線でどうすれば商品を売ることができるのか考えること、、
「販促プロモーションの仕事」をイメージされるかもしれません。
しかしこれは、「狭義のマーケティング」です。
森岡さんの考えるマーケティングは「市場価値を創造する仕事全般」を指します。
では、なぜ森岡さんは市場価値を与える仕事全般という定義をするのか?
これは本のタイトルにもある「組織革命」にも繋がります。
強い組織とは?

そもそもなぜ、ビジネスにおいてひとは組織を作るのか??
個人では自分の苦手分野領域がボトルネックになり、最終的な成果が制限されます。
一方、組織を組むことによって互いの強みをかけあわせていくことができます。
組織力=個人技×仕組みなのです。
個人技が60点の人でも、組織の仕組みで1.5倍あげることが可能なのです。
つまり、強い組織とは60点の人を90点まで引き上げられる仕組みを持つ組織です。
では、仕組みをどのように変えていけばよいのでしょうか?
組織における4つの機能

*森岡 毅『マーケティングとは「組織革命」である』をもとに筆者作成
消費者視点で機能設計された組織システムには上記4つの機能があります。
組織マネジメント機能・・・「人」と「人をより生産的に働かせるための仕組み」組織において土台となるもの
生産マネジメント機能・・・「商品」を継続的に生み出し続ける機能
「商品」とは、マーケティングシステムによってつくられた「売れる商品」です。
マーケティング機能・・・「売上」を獲得する能力
ファイナンス機能・・・組織を動かすための血液ともいえる「お金」を管理
この主な4つの機能が会社の業績に影響を与えています。
マーケティングができるようになるためには、ノウハウと上記4つの機能を改革する組織革命がセットでおこなわなければならないのです。
マーケティングと商品開発はセット?
企業によっては、マーケティングと商品開発が別々に存在している組織がありますが、それはかなりまずいのです。
それはなぜか?マーケティングと商品開発がセットでなければならない理由をわかりやすく、魚釣りを例に解説していきます。

*森岡 毅『マーケティングとは「組織革命」である』をもとに筆者作成
売上をUPさせるために、優れたマーケターを取り入れる企業は多いです。しかし、それは根本的な解決にはなりません。
上の図でわかりやすく説明しよう。まず、魚を釣り上げるためには、釣り方だけではなくエサ(商品)が必要だ。
仮に、マーケティング部が魚を釣れると思ったポイントに針を垂らしても魚の好みにあったエサがなければ食いつかない。
それは商品開発部との連携が必要不可欠だ。ほかの感覚器官でも筋肉でも同様で、それが連携を取らなければ魚は釣れない、、、
魚を釣るという共通の目的を共有し、行動する。
つまり、組織全体でマーケティングについて意識を向けなければいけないのです。
市場環境の変化を知る
マーケティングにおいて、市場環境の変化はとても重要で敏感にならなければなりません。
市場環境の変化は消費者のプレファレンスの変化を読み解く必要があります。
プレファレンスとは、消費者のブランド選択する際の「相対的な好感度」のことです。
例えば、週一回コンビニに行く人の家の周りにローソン、セブン、ファミマの3つのコンビニが同距離にあるとします。
ローソン、セブン、ファミマに行く確率が5,3,2であった場合、消費者のローソンに対するプレファレンスは50%となります。
つまり、1年間(52週×50%)で26回程度ローソンに行くことになります。
マーケターはこのプレファレンスをいかに引き上げるかを意識する必要があります。
市場環境の変化を知るということは、その本質である消費者のプレファレンスを分析することなのです。
おわりに
まだまだ、大切な要素はたくさんあります。組織革命は考案よりも実行がものすごく難しいのです。
権力のない普通のサラリーマンでも、本気でやれば組織を変えられる!!
それを実行するために大切なことなどを知りたい方は、ぜひ、こちらの本を読んでみてください!!

マーケティングとは「組織革命」である。posted with ヨメレバ森岡 毅 日経BP 2018年05月25日頃